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一頻り泣くと、憑き物が落ちたかのようにスッキリした。
そしてちゃんと決心もできた。
「…………落ち着いたか?」
こくりと頷く。
「…………親父…………」
「ん?」
「俺…頑張るから…」
「何を?」
「親父以上に好きな人つくる努りょk…いってー!
何すんだよ!」
人が折角諦める決心をしたのに、親父のやつチョップしてきやがった!
「だから、勝手に終わらすなっつーの」
「へ?」
「俺だってこの2週間ただ心配してたわけじゃないんだよ。…ちゃんとお前の気持ち考えてた」
俺の…気持ち…?
「羊くんには言うなって言われてるんだけどな。実は、ずっと羊くんうちに来てたんだよ。ちゃんと俺が帰る時間帯に」
そうだったんだ…。
俺、自分のことばっかでそんなの全然気づいてなかった…。
「んで、めっちゃ頭下げられた。
『あいつの気持ちは本気なんです。親子だとか男同士だとか抜きにしてちゃんと考えてあげてください』って。
お前、いい友だち持ったな」
羊…。
普通そこまでしないだろ…。
うわー。さっき泣いたところなのにまた泣きそう…。
「羊くんに言われてちゃんと考えた。
一番いいのはこのまま親子の関係を続けることだとわかってる。わかってるけど…
お前がいない間…いろいろ考えてたら…気付いちまったんだよ…。自分の気持ちに」
親父の気持ち………?
それって………
「俺は…「す、ストップ!!」
気がついたら俺は親父の言葉を遮っていた。
だって親父の答えを聞くのが怖いんだもの。
答えを聞いてしまったらもう戻れない。
いや、キスして告ってる時点で戻れないとこまで来てるってのはわかってるけど…。
「お前、自分の気持ちは言うだけ言っといて俺の気持ちは聞いてくれねーのかよ」
「き、聞きたいけど…その…心の準備が…」
「お前がそれ言うか?
キスも告白も突然してきたくせに」
「そ、その節はすみませんでした…」
それを言われると痛い…。
「反省してるんだったらちゃんと聞け」
「…………はーい…………」
渋々ながら頷いた。
うー…。
ドキドキする…。
「聞く準備できたか?」
「うう……はい…」
「よし。
じゃあ、言うぞ?」
親父はむくりと起きると正座した。
俺もつられて正座になる。
「まず、あの時お前の気持ちを踏みにじるようなこと言ってごめんな。反省してる。
まさか出て行くなんて思わなかったんだ。
まぁ、そのおかげって言うかなんというか、ちゃんと考える時間ができたわけだけど。
えっと、んで
俺の気持ちは…」
きた。いよいよきた。
動悸と手汗が半端ない。
「俺の気持ちは
まだわからん」
「………………はい…………?」
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