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母親 by湊翔
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同時刻。
「ただいま...」
俺は買い物から帰ってきて1度自分の家に戻った。
といっても、響也の隣の家(マンション)だけど。
「...あんた帰ってきてたんだ。」
と、母親が化粧をしながらこちらを向いて、鬱陶しそうに言った。
「さっきね」
はっきり言って話しかけて欲しくはなかった。反抗期とかそういうんじゃなくて、存在自体が嫌だから。
だから、いつも母親とはほとんど話をしない。
「あぁ、そう。今夜、遅くなるから〜。テキトーに自分で作って食べて。面倒見きれないから〜」
「言われなくてもそのつもり」
「生意気ね。まぁ、いいわ。じゃ、そういうことで」
今日はクリスマスイブだからいつもより厚化粧だ。
だけど、俺を見る時の嫌そうな顔はどんなに化粧をしても少しも変わらない。それに甘ったるい香水の匂いが鼻をついて気持ち悪い。
そして、どうせ相手は父さんではないだろう。
他の男だ。
まぁ、父さんも違う相手とだろう。お母さんが死んでから父さんは変わってしまった。
暖かい家庭なんていらないから、父さんに興味が無くなったんだったらほんとに早く家から出ていって欲しい。
ろくに母親らしいことなんてしたこともない癖に...
でももう慣れてしまった。
そんないつも感じていることを今日もまた同じように感じながら俺はこの後のパーティに思いを馳せて、響也の家に行く支度を始めた。
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