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苦しんでいる② by碧都
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寝ていたら見てしまった夢は一番怖い夢。
母親の夢。
起きたら響也が心配してくれた。
あえて何に魘されていたかは聞いてこないところが優しい。
辛くなったら澪桜さんという逃げ道に逃げれると安心仕切って心に緩みが出来てしまった。その結果いつもよりもタチの悪い夢を見た。
今は……。
そうだ、呼吸が乱れてそれで、どうなったんだっけ…。
「────?────」
なにか聞こえる。
誰かが喋ってるんだ。
「大丈夫今は寝ているだけだよ……。」
……
「れお、さん……?」
何故か無性に会いたくなった澪桜さんの声が聞こえた気がした。
そして無意識に彼の名を呟きまた眠りへと落ちていった……。
―――――――――――――――――――――
30分も満たない内にまた悪夢を見て目が覚めてしまった。
こういう日は決まって何度も起きてしまうものだ。
誰かが隣に居る……。
「澪桜さん……?!」
なんで居るんだ?……響也が呼んだんだ。
「んー。碧都?起きた?あっ、患者の前で寝ちゃった。連日夜勤だから許してね。」
伸びをしながら澪桜さんが答える。
「困ったら連絡してって言ったけど連絡出来ないくらいに弱っちゃってたんだね。僕がちゃんと何かしら気づいてあげてればよかった。ごめんね……。また魘されていたけど今もまだ不安かな?」
そうだ俺魘されてて目が覚めて。
「こ、怖い……。1人にしないで……。」
言ってしまった。
あぁ、なんで他人に弱みなんか見せているんだろう。
全くもって『菱川碧都』を演じられていない。
明るく強くしていないとなのに……。
「やだ、澪桜さん置いてかないで。」
自分という生き物が気持ち悪い。
この体に流れてる血だって母親と同じ血だ。
汚い。
そう思ってしまったらする事は1つ。
脇腹に爪を立てて力一杯横に引くだけ。
自傷行為は覚えたら止められないんだ。
引こうとしたその瞬間。
腕を強く掴まれたまま優しく抱きしめられた。
「今夜は僕の家においで。」
先程まで何も言葉を発しなかった澪桜さんがそう言った。
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