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朝食 by碧都
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その後テーブルに着くと美味しそうに湯気が立つリゾットが置いてあった。
「冷蔵庫の中少なかったから簡単だけどどうぞ。碧都チーズ好きだろうけど朝だからクリーム系じゃなくてあっさり系にしたよ。」
「ありがとうございます。いただきます。」
な、なんだこれ!
「おいしい……。」
「クスクス、良かった。それより碧都?敬語に戻ってるよ。」
今ここでそれを言うか。
「そう言う澪桜さんだってまたキャラ戻ってますよ。」
むっ、と顔をしかめる澪桜さん。
「医者の学校行く時にこのキャラにしたら定着しちゃったんだよ。それにスる時だけあぁなる方が良くない?」
ニヤニヤと楽しそうだ。
「それ澪桜さんばっかりズルイですよ!俺もそうしよ!」
「へぇ?ってことは俺とまたシたいってわけだ?光栄だな。」
はっっ?!
「ハメられた!」
あぁ、平和だ。何気ない日常。嬉しい。
「そう言えば碧都達は何をそんなに忙しく動いてるの?」
あ、そうだ。俺はここで呑気に過ごしているわけにも行かないんだ。
「俺達の友達、中学生なんですけど。それがある事情で監禁されてるんです……。助けてあげたいんです!」
「監禁場所は?」
「……地曳晃羅の家。」
そう言うと驚いたような顔をする澪桜さん。
「あははは……。晃羅の所か。となると晃羅の独断で監禁させられてるわけではなさそうだね。」
「知ってるんですか??!」
「知ってるも何も、同じ高校の同級生だよ。もちろん橙真もね。敵対する組の若同士だったけどよく遊んでたよ。」
……そうだったのか。
「まぁ、晃羅だったらきっとなんとか出来る。橙真に任せておけば大丈夫。だから今は自分の体と心を気遣ったら?体震えてる。」
そう言うとギュッと抱きしめてくれる。
本当にこの人が抱きしめてくれると何故こんなにも落ち着くのだろう。
湊翔くんの話をしていたら勝手に過去のことまで思い出して震えていたらしい。
「こんな時に言うのもなんだけどさ、僕碧都のことかなり本気なんだよ。自分のものにしたい。碧都が過去に計り知れない何かを負って今も苦しんでいるのは知ってる。僕だって組の一員だからね、調べようとすれば碧都の過去なんてすべて知ることが出来る。でもそれはしたくない。いつか碧都から言ってくれる日を待ってる。だから、もっと僕にだけでもいいから甘えていいんだよ。」
ほんとにこんな時に何を言い出すんだ。
……卑怯だろ。ほんとに好きになってしまいそうだ。
「で、でも、そんな」
甘えるなんてどうすればいいんだ。
「甘え方わからないなら教えて上げるよ。……いいから俺に甘えろ。」
ほんっと、こういう時にばっかり……意地悪だ。
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