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じゅうろく。
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「あ、そう言えば。俺、あなたに名前を言っていませんでしたね
俺は柳木 真(やなぎ まこと)っていいます。
……あなたの名前は?」
恐る恐る聞いてみると、彼はため息をつき
新道 恭介(しんどう きょうすけ)と答えてくれた
新道……恭介……
見た目に反さず、いい名前。
「じゃあ新道さん。俺、責任を持って必ず綺麗にしてこのカーディガンを返しますから
一週間ほど経ったらまた連絡しますね」
「あぁ……」
そう言って俺はぺこりと頭を下げる
倒れていた自転車を起こし、それに乗って彼と別れたのだった…………
ーーーーーーー
ーーーーー
「ただいまーー」
家に帰ってきて、俺は真っ先にリビングにいる母さんの所へ行く
「あら、真。おかえりなさい」
母さんは丁度台所で夜ご飯を作っていたところだった
「ねぇ、母さん。クリーニングってどうやって出すの?」
「何よいきなり……
って、真まさか……あなたその手に持ってるものって……!!」
母さんは俺の持ってる汚れた白いカーディガンを見て勘付いた
「ごめん。俺の不注意で、友達のお兄さんのカーディガンを汚しちゃったんだ
俺、悪いと思ったから自分で綺麗にするって言って持って帰ってきたんだけど…やり方がわからなくて…」
オロオロさせながら俺はちょっとした嘘をつく。
だけど母さんは俺の言葉を信じてくれたみたいで力を抜くようにため息をついた
「はぁ……なるほど。それならしょうがないわね
そりゃ、真の責任だ。」
母さんは俺の身長に合わせるように身体を屈ませて、頭をグシャグシャとかき混ぜるように撫でる
「ほら、そのカーディガン母さんに貸しなさい。明日クリーニングに出してきてあげるから」
「ありがとうっ!母さん」
この時になって俺は母親のありがたさを実感する
カーディガンを母さんに託して、俺は二階へ登り自分の部屋に直行した
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