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きゅう。
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新道さんにガキって言われてしまった
(そうだ。俺はガキだ)
大好きな新道さんの苦しみが無くなったって聞くだけで泣いてしまうガキなんだ
「うへへ。ありがとぉございます……しんどぉさん」
さっきまで大泣きしてたから舌がちょっとだけ呂律が回らない
微笑んでそう言ったら彼はさらに笑って俺の額を軽く小突いた
「泣き止んだなら、さっさと図書館に行くぞ。
……きっと裕二が追いかけて来るからその前に逃げる」
「きょーーーーちゃーーーーんーーーーーっ♪」
「チッ。噂をすればもう追いついてきやがったか」
新道さんが見る方向に向くと、全力疾走で走ってくるゆーじーさんの姿
すぐに俺たちの所へ追いつき、ニヒヒ笑いながら新道さんを見つめた
「俺を倒そうなんて100年早いよ〜〜。恭ちゃん♪
……って、えええっ!?マコっちゃんその顔どうしたの!?」
腫れぼったい目をしている俺の顔をみて、ゆーじーさんはかなり驚いていた
「まじ、俺のいない間に何があったのさ〜〜〜。
ハッ!まさか恭ちゃんがマコっちゃんに酷いこと言ったんでしょ〜〜〜!!」
「言ってねぇよ」
「うそうそ!そんなの信じませーん!
ねぇ、マコっちゃん!この俺様女たらしに何された!?」
ゆーじーさんは跪き、俺の顔を確認しながら心配そうに問いてきた
(ははっ。やっぱり裕二さんも優しいなぁ……)
「いいえ。別になにも酷いことは言われてませんよ
ただ、新道さんに泣かされたのは事実ですけど」
「おい」
いたずらっぽく笑って新道さんを見ると、彼は半目で呆れたように俺を見つめる
「ええっ!それってどゆこと〜〜!?
な、何が何だか分からないぞ俺は……!!」
あわわと混乱しているゆーじーさんが面白くて俺と新道さんはつい笑ってしまう
「ほら、早くしねぇと図書館が閉まっちまう。早く行くぞ」
「はーーい」
「ええっ!ちょ、2人とも待ってよ〜〜〜」
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オレンジ色の夕焼けの中、俺たち3人は肩を並べて歩いた
新道さんとゆーじーさんの話している姿を見て俺は微笑む
(今日1日、すごく幸せだなぁ……)
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