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はち。
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『は?おい、それどうゆう意味「すみません新道さん。もう俺、行かなきゃいけないんで電話切りますね。……今まで、ありがとうございました」ふざけんなっ!おい、マコ……』ピッ
彼の言葉を遮って俺は早急に電話を切った。
携帯を耳元に持っていった腕が無気力にブラリと下がる
「……これで、いいんだよね?」
言い聞かせるように俺は静寂な空間にポツリと呟いた
電気もつけていなくて、窓からの月の光だけがこの部屋を照らす
新しい部屋は前より部屋が大きくて窓も大きい
だから綺麗な夜空がはっきりと見えた
窓を見つめながら俺は携帯をギュッと握りしめる
(でもよかった。思ったより気持ち悪がられなくて……)
あり得ないことだけど
もしも新道さんが俺のことを好きになったとしても………俺は変わらず彼のそばから離れただろう
(だって、新道さんには幸せな未来が残っているから)
女性と結婚し子供を作って幸せな家庭を築くことのできる未来が、彼にはまだ残ってる
男の人ならほとんどの人が望むこと
新道さんだって心の隅で無意識にそう思ってるはずだ
「……そんなの、潰せるわけないじゃん……っ
無理に決まってるじゃんかっ……!」
ふいに頰から涙が伝う
俺はそれを隠すように膝を抱え顔を埋めて座り込んだ
「なんで……好きになっちゃったんだよぉ……」
暗い空間の中、俺は1人ひたすら泣き続けた
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