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喋るとちゅーしちゃう距離
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「…ほら、やっぱり。物欲しそうな顔」
意地悪く笑って、囁く。
その拍子に唇が触れ合って、恥ずかしさはピークに達した。
一気に顔に熱が集まる。
「…ん……」
そのまま、ほんの少しだけ距離を詰められて。
もう一度、唇が重なった。
そのあと、ゆっくり離れたけど、まだ顔は近いまま。
いま喋ったら、また唇が触れ合ってしまいそうだ。
「…藤川」
「っ……!」
なんとか言葉を発しないように我慢してたのに。
真山が俺の名前を呼ぶから、また唇が触れてしまった。
なんでわざとそういうことするの。
「…な…なに…?」
唇の動きを最小限にとどめながら、頑張って会話を続けてみる。
なんなんだよ、この状況。
「ちゅー気持ちいい?」
「う…気持ちいい、けど…」
そこまで言うと、くすくす笑いながら、またちゅーされた。
恥ずかしすぎてしぬ。
「ふふ、顔真っ赤」
「…うるさい…」
「恥ずかしいなら、もうちょっと顔を離せばいいと思うんだけど」
「……え?」
「顔を離す」。
言われた通りにしてみる。
「…ほんとだ……」
なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだろう、バカだ。
さっきまで俺を追い詰めていた真山の唇は、今はもうずっと先にある。
喋っても唇が触れ合わないくらい遠くに。
「…ねぇ、藤川ってさ」
「うるせぇ黙れ」
バカなの?と続きそうな、真山のセリフを遮る。
自覚してるから言うなよ、くそ。
「まだ何も言ってないよ」
「言わなくてもわかるんだよ」
「本当に?じゃあ、俺がなんて言おうとしてたか当てて」
「…………」
やだよ。
何が悲しくて、自分で自分のことバカって言わなきゃいけないんだ。
いや、まぁさっきのは…さすがに自分でもどうかと思ったけど……
「わかんないの?」
「…わかるけど言いたくない…」
「じゃあ、俺が言っていい?」
「いいよ、言わなくて!」
なんなの、これ。
どんだけ俺にバカって言いたいの。
真山って、こんなにドSだっけ…?
それとも俺が、何かの拍子に火をつけちゃったとか?
何にせよ、この醜い争いを早く終わらせないと……
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