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大人な弟
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ぐすぐすと泣きじゃくる楓を連れて、何とか部屋まで辿りついた。
上着を脱いでから、とりあえず楓を抱きしめる。
「ごめんな、楓」
「……やだ」
「ちゃんと話すからさ」
「…………」
ほっぺを膨らませて黙り込む。
可愛い。
(…もうちょっと落ち着かせてからのほうがいいかな)
楓の涙が止まる気配はない。
ちょっとでも機嫌を直してもらおうと、楓が俺の部屋に来たときに、いつも抱きしめてるクッションを渡す。
俺と目を合わせないまま、ぎゅっとクッションを抱きしめた。
(…可愛い…)
正直、さっきからニヤニヤが止まらない。
楓が俺を見てなくて、本当によかったと思う。
頭を撫でると、ちょっと気持ちよさそうにするのがマジで可愛い。
(嫌いとか言ってた割には、触っても嫌がらないんだよな…)
楓の頬に零れる涙を、指先で拭う。
目を伏せて大人しくする楓。
泣き顔を見ると胸が痛むけど、弱ってる姿も可愛いとか思っちゃうから手に負えない。
やっぱり俺ってブラコンなのかな、と考え始めたところで、楓が口を開いた。
「…どうせ、オレに言いにくいことなんでしょ」
「え……」
ちょっと落ち着いてきたと思ったらこれだよ。
兄ちゃんびっくりだよ。
「いいよ、別に。そんなことだろうと思ってた」
「な、なんで…!?」
バレてる。
俺、何か言ったっけ…?
「…オレに言えるようなことだったら、昨日の電話で言ってくれてるはずだもん」
「…あー…」
「昨日ちゃんと教えてくれなかった時点で、あんまり言いたくないことなんだろうなって思ってた」
そうなのか。
さすが弟だな、と思いながら、まだ泣いてる楓の背中を撫でる。
なんかもう…何もかも見透かされてて、兄ちゃんの立つ瀬がない。
「…兄ちゃんが言いたくないなら聞かないよ。けど」
いつの間に、そんなに大人になったんだよ。
感動して泣きそう。
「…心配させないでよ、ばか…」
きゅぅっと胸が痛む。
申し訳ないわ可愛すぎるわで、兄ちゃんしにそうだよ。
「…ごめん、楓。ありがとう」
ぎゅっと抱きしめると、そっと背中に腕を回してくる。
すげー可愛い、やばい。
めっちゃ興奮してるのを悟られないように、優しく頭を撫で続けた。
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