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もふもふマフラー
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「…これ、開けてもいい?」
「うん」
しばらくお互いになでなでしてたら涙が止まったので、気を取り直して。
楓が丁寧に袋を開けた。
「あ、かわいい…マフラー?」
「楓に似合うと思って」
「もふもふしてる…」
「好きだろ、そういうの」
「やってー」
「ん」
楓の首にマフラーを巻いてあげる。
思ってた通り、可愛いな…。
「似合う?」
「うん、似合うよ」
そう言うと、ぱっと顔を輝かせて、部屋にある鏡まで走っていく楓。
いちいち可愛いわ。
「ありがとう、兄ちゃん!」
「おー」
ぱたぱたと戻ってきて、また俺の正面に座った。
マフラーを解いて、巻き直す。
今度は俺の首も一緒に。
「あったかい?」
「うん」
「仲直りしてくれる?」
「え?俺、別に怒ってないけど…」
そんなことより、俺と一つのマフラーにくるまる楓が可愛すぎてしにそう。
ニヤニヤが止まらないよ。
「…でも、ひどいこと言っちゃったし…」
「いや、元はといえば約束守れなかった俺が悪いんだし」
また落ち込んでしまう楓を、そっと抱きしめる。
確かにちょっとショックだったけど、怒ったわけじゃない。
「……兄ちゃんだいすき」
「え……」
あ、なんか今すっごい回復した。
なんかHP的なものが。
ぎゅっと楓を抱きしめる。
「…もう一回言って」
「え?は、恥ずかし…」
「もう一回」
「…兄ちゃんだいすき…」
「ふふ、もっと」
「も、もう言わない!」
「あと一回」
「やだ!ばか!」
「俺も楓だいすきだよ」
「っ…ばかじゃないの!?ばかばかばか!」
「あ、引っかかった」
「え?」
「ばか3回で好きって意味なんだぞ?」
「!?何それ、聞いたことない…」
「知らない人のほうが多いよ、たぶん」
「ほ、ほんとに…?ばか3回で好き…?」
「嘘だよ。ばかじゃねぇの?」
「!?っ…きらい!兄ちゃんのばか!」
「あ……」
ばっと俺から離れる楓。
ちょっとからかっただけなのに。
その拍子にマフラーが解けたら、楓は大事そうにそれを抱きしめた。
「……きらいって言ったの嘘だよ」
「知ってる」
「ふふ、これありがとう」
幸せそうな笑顔に、なんかもういろいろ回復する。
昼メシ食ったらゲームしよう。
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