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翌朝
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「…ん……」
ぼんやりと意識が浮上する。
まだねむい。
再び意識を手放しかけたそのとき、携帯が鳴った。
アラームを止めて、なんとか体を起こす。
(危ねぇ、二度寝するとこだった…)
ふぁ、とあくびをして、ベッドから出て。
制服に着替えて、リビングに向かった。
やべぇ、めっちゃねむい……
「おはよう、梓」
「はよ。楓は?」
「もう学校行ったわよ」
「うわ、早えー…」
楓は軽音部で、いつも朝早くから学校行って練習してる。
だから、俺が起きる頃には、もうすでに家を出てることがほとんどだ。
制服姿にあのマフラーしてるとこ、見たかったんだけどな。
「おはよう梓!」
「…おはよう…」
「父さんにマフラーのプレゼントは?」
「ねぇよ」
「ひどい!」
父さんは、テンションが成宮に似ている。
黙ってれば顔はかっこいいのに、本当に残念だ。
そろそろマジで息子離れをしないとまずいと思う。
「そう言えば、楓がすごく喜んでたわ。兄ちゃんにマフラー貰ったーって」
「うん」
「お母さんにはくれないの?」
「破産するからやめて」
母さんも割と残念な人だと思う。
くっそスタイルよくて昔はモテたらしいけど、基本的にノリで生きてる。
なんとなく、真山のお母さんと気が合うかもしれない、とか考えた。
ていうかなんで二人揃ってマフラー欲しがるんだよ、子どもか。
「今度の週末、楽しみにしてるから」
「…行ってくる」
「無視!?」
「いってらっしゃーい」
父さんを適当にあしらって家を出る。
毎朝こんな感じだけど、めんどくさいし本当に疲れる。
これで、さらに駅で成宮に会ったりするから、俺は毎朝メンタルをやられながら学校に……
「おはよー藤川!久しぶりー!」
「…………」
くそ。
言ったそばからこれだよ。
「藤川どうしたの?ご機嫌ななめなの?」
「…いや、別に」
「だめだよ、月曜の朝からそんな顔してちゃ」
そう言って、むにっとほっぺをつまんでくる。
そんなことしたら、さらに機嫌が悪くなるとか考えないのかな。
「わぁーめっちゃ柔らけぇ」
ケラケラ笑いながら、さらにむにむにされる。
なんかもう、いろいろとどうでもよくなってくる。
「…離せよ…」
「あれ、どうしたの藤川。ツッコミに元気がないぞ?」
「…………」
うざすぎだろ、こいつ。
無理やり手を退かして、とっとと電車に乗り込む。
怒ってんのー?と聞いてくる成宮に、怒ってないよ、と返すと、安心したように笑った。
こうやって笑ってるだけならまだ可愛いんだけどな…。
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