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焼きもちと本音
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「っ…はぁ…真山…」
頭の中が、痺れてるみたいにぼーっとする。
こんなところ、誰かに見られたらどうしよう。
「…甘いね、藤川」
「……ばか……」
恥ずかしくなって、視線をさまよわせると、真山の着てるジャージが目に入った。
首筋にある、俺とお揃いの痕。
よく考えたら、一番上までファスナー閉めない限り隠せないんじゃね?
(俺、バカなのかな…)
そりゃ宮部にも森下にも見つかるわ。
ていうか、真山はキスマーク見られても恥ずかしくないのかな、とか考えていたら、ぎゅっと抱きしめられた。
「…さっき、俺が廊下で待ってたのはね」
相変わらず唐突だ。
そっと背中に腕を回す。
体操着越しの体は、細いけど男っぽくて、なんかドキドキする。
「…二人と楽しそうに話してる藤川を見たくなかったから」
「え……」
また焼きもちか。
痕を隠すのに精一杯だったから、そんな楽しく話したつもりはないんだけどな…。
「…ごめん、気付かなくて。廊下、寒かったよな」
それでもやっぱり申し訳ないので、真山の頭を撫でながら謝る。
これで機嫌直してくれるかな。
「…大人っぽい藤川やだ」
「えぇー…」
またかよ。
どうしろって言うんだよ。
(わがままめ…)
「…あのね、真山」
近くのスピーカーから、授業開始を告げるチャイムの音。
遅刻確定だよ、くそ。
「宮部と森下は付き合ってるじゃん?」
「うん」
「だから、俺のことなんか見てないよ。あの二人はラブラブだから特に」
「でも…」
「でもじゃない」
「んー…」
まだ不満そうにしてる真山。
気が進まないけど、本音を話そうか。
恥ずかしいから、真山の首筋に顔をうずめて。
「……俺は真山のことしか見てないんだから、焼きもちなんて焼く必要ないのに」
あぁ、思ってたより恥ずかしかった。
なに言ってんだ俺。
真山が驚いてるのがわかる。
「…なんでそんなに可愛いの」
「うるせぇよ…」
真山のばか。
言うんじゃなかった。
むくれてる俺とは対照的に、真山は嬉しそうに笑っている。
「俺も藤川のことしか見てないよ」
「……ありがとう……」
何だこれ、めっちゃ恥ずかしい。
早く離してくれないと、誰かに見つかっちゃうよ。
「…授業行こうか。遅れちゃったけど」
「う、うん…」
このタイミングで一緒に体育館に行ったら、ぜってーあいつらに何か言われるけど。
サボるわけにも行かないので、二人で体育館に向かった。
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