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サプライズ!
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「ねぇ、藤川」
「ん?」
「さっきから言おうと思ってたんだけど」
ふわふわと髪を撫でてくれる真山。
気持ちよくて眠くなってくる。
「そろそろ、みんなが待ちくたびれてると思うんだ」
「え?」
「だからちょっと呼んでくるね」
「え、いや意味わかんな…」
「藤川も来る?」
「…………」
いやいやいや、何を言ってるの?
ぽかんとしてる俺の手を取って、真山が立ち上がる。
そのまま歩いていって、教室の後ろのドアを開けた。
「やっとかよ」
「遅いよ真山ー」
「ごめんね。寒かった?」
廊下にいたのは、とっくに帰ったはずのあいつら。
何が何だかわからない。
「お菓子いっぱい買ってきたよー♡」
「いやー、よかった真山が協力してくれて」
「なぁ、さっきの声なに!?藤川なにしてたの!?ねぇねぇねぇ藤川!」
「…………」
勘弁してくれよ。
真っ赤になって焦ってる成宮に、体を揺さぶられて、血の気が引いていく。
いつからここにいたんだよ。
あの声とか全部、こいつらに聞かれてたってこと…?
「なんか、まだ甘い雰囲気が残ってるねぇ」
「二人っきりの教室で、いったい何をしてたのかなぁー」
「ねぇ、藤川ほんとに何してたの…?」
みんな口々に何か言いながら、がやがやと教室に入っていく。
入口の近くには、取り残された俺と真山。
「藤川どうしたの?顔色悪い…いや、顔赤い?どっち?」
「…………」
もうツッコむ気力も残ってない俺は、真山に手を引かれて、何とか椅子に座った。
なんかもう泣きたいよ。
「なんでそんなにテンション低いんだよ藤川」
「そうだよ。せっかくみんなで祝ってやろうとしてんのに」
「いや、ちょっ…整理させてくれ。まず、お前らはなんでここにいるの?帰ったんじゃねぇの?」
「サプライズに決まってるだろ。そのくらい気付けよ鈍感バカが」
「そこまで言われなきゃいけないの…?サプライズに気付けなかったくらいで?」
「誰に口きいてんだよ。俺なんかのためにお時間を取って頂きありがとうございますだろ」
「…ありがとうございます…」
あぁ、林さんが…いつにも増してイラついてらっしゃる…。
そんなに廊下が寒かったのかな。
それなら申し訳なかったけど、これ以上の毒舌は俺も辛いよ。
そろそろ心が折れてしまうよ。
「…林さん、今日バイトじゃなかったんすか」
「今日はバイトねぇよ」
「あぁ……」
なんでないんだよ。
バイトしろよ、くそ。
「中田は?部活じゃねぇの?」
「もうちょいしたら行く!今はミーティング中だからまだ大丈夫ー」
「あぁ、そう…」
それ大丈夫っていうのかな。
まぁ、俺たちのために時間を割いてくれるのは嬉しいし、ありがたいけど……
「質問は以上ですか?」
「おし、パーティーやろうぜ」
「わーい!」
「準備するよー」
「真山と藤川はちょっと待っててな」
「おぅ…」
というわけで、なんかパーティーが始まるみたいです。
嫌な予感しかしないよ。
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