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証拠
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「あずにゃん、おいしい?」
「うん、おいしい…」
「そっか、よかったー♡」
あれから、パーティーは楽しく進んで。
と言っても、それぞれ好きなもの食いながら適当に話してるだけだけど…。
(林も何もしてこないし、このまま平和に終わり…)
「そう言えばさ、藤川」
「…なに?」
そう思った矢先に話しかけてくる林。
嫌な予感がする。
「これ」
机の上に置かれたケータイ。
スピーカーからは、何だかいやらしい声が流れてきた。
なんだよこれ。
AV?エロ動画?
『真山、やだ…ふぁ…っ…!』
「!?」
『っ…ん…やぁ……』
「わぁぁぁ何これ!?俺!?止めろバカ!」
「ははははは!」
さっきの。
さっきのやつだ、これ。
AVじゃねぇよ、俺の声だよ。
「なんで!?ていうか早く止めろよ!」
焦る俺を見て、高笑いする林。
これがドラマに出てくる悪役ならパーフェクトだよ。
俺の話なんて聞いてくれそうにもないので、ケータイを奪って、ようやく自力で音声を止めた。
「そうだよ、藤川さっき何してたの!?今ので思い出したけど!」
成宮が、顔を赤くして俺を問い詰める。
何もしてねぇよ!って言いたいけど、真っ向から否定できないのが辛い。
なんて説明すればいいんだよ。
「あずにゃん真っ赤ー」
「人に言えないようなことしてたの?」
「だめだろ、教室でそんなことしちゃ」
「…………」
弁明する気力すらも削ぐような言葉の応酬に、心が折れそうになる。
助けを求めるように、隣に座る真山を見た。
「どうしたの?」
「真山もなんか言ってよ」
「んー…」
みんなの視線が、自然と真山に集まる。
真山が否定してくれれば、こいつらの誤解もすぐに解けるだろう。
「…ないしょ」
囁くような、小さな声で。
いたずらっぽく笑った。
なんで否定しないの、アホなの?
どうでもいいけど、やたら色っぽいなちくしょう。
「わぁーやっぱりー」
「付き合ってから2日でって、お前ら本当エロいな…」
「本当なの!?ねぇ藤川本当なの!?」
「本当なわけないだろバカ!真山も否定しろよ!」
(くっそ…)
くすくす笑ってる真山は、確実にこの状況を楽しんでる。
本当に意地悪だと思う。
元はと言えば真山のせいなのに。
「で?何してたの?まさか本当にヤってたわけじゃないよな?」
「…ヤってねぇよ…」
くっそ恥ずかしい、しにたい。
でも、本当のことを言わないとマジで名誉に関わるから。
最後の力を振り絞って、俺はみんなにすべてを話した。
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