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告白
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二人並んでベンチに座って、小さく息を吐く。
ココアが温かくて、持ってるだけでほっとする。
「寒くない?」
「うん。真山は?」
「寒くないよ」
「そっか」
缶のフタを開けて、熱いココアをすする。
真山の家は駅から近いんだから、どうせなら暖かい場所でゆっくり話せばいいのにって思ったけど。
(空がオレンジできれいだなぁ…)
今の真山は、家よりも公園で話したい気分なんだろう。
真山が話し始めてくれるまで、ゆっくり待つことにする。
「…あのね」
しばらくぼーっとしていたら、ぽつりと真山が呟いた。
うん、と相槌を打つ。
「藤川が今日、一度にたくさんされると大変だから、ちょっとずつ慣らしてほしい、って言ったでしょう?」
「あー、うん」
ちゅーとか、気持ちいいことは特に、一度にされると心臓がもたないから、ちょっとずつにしてほしいって言った。
「それにちょっと似てるんだけど」
さっきから握ったままの手を離して、ぎゅっと抱きしめられる。
ココアを置いて、俺も背中に腕を回す。
「…俺、このままじゃ藤川のこと傷付けちゃいそうなんだ」
「…へ……?」
意味がわからなくて、一瞬きょとんとする。
すぐに頭の中でセリフを反芻して、ちょっと考えてみたけど、やっぱりわからない。
真山が、俺の首筋に頬を寄せる。
「だから、少しずつ発散してるの。今みたいに」
甘えるようにすり寄ってくる真山。
可愛いけど、やっぱりなんかピンとこない。
あれこれと思考を巡らせながら、とりあえず真山の頭を撫でる。
「…これでも、必死に抑え込んでるんだよ」
切なそうな声が、胸を締め付ける。
でもごめん、やっぱりよくわかんないよ。
どういうことなの?
「…どんなにキスしても、抱きしめても足りない。本当は今すぐ、藤川の全部ぐちゃぐちゃにしたい」
(っ!?)
…ぐ、ぐちゃぐちゃに…?
一気に心臓が速くなる。
だって、なんかすごいエロい、やばい。
それまで積み上げてきた思考が、すべて吹っ飛ぶ。
「…だから、溢れて傷付けちゃう前に…少しでも藤川に触れて、誤魔化そうとしてるんだ」
ぎゅっと抱きしめられて、思わず小さく震えてしまう。
全身が熱い。
あんなこと言われたら、今まで気にならなったことまで意識しちゃうよ。
「……真山……」
ようやく、小さな声で名前を呼んだ。
指先は、真山の背中にしがみつく。
こういうときって、どうしたらいいの…?
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