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真山くんの本音
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「…本当だよ」
「っ……!」
耳元で囁かれて、思わず、きゅっと真山の手を握り返す。
なんで、こう…すぐ耳に何かしてくるかな……
「信じられないなら、もう一回言ってあげようか?」
体を抱き寄せられて、また真山の腕の中に収まる。
その拍子に、耳に唇が触れたり、腰を撫でられたりして、ぶわっと顔が熱くなった。
「…ま、真山…」
「…どんなにキスしても、抱きしめても足りない」
「っ…!」
真剣な声色は、わざとやってるんだろう。
俺に意地悪して楽しんでるんだ。
鼓膜を震わせる、甘ったるいセリフに、いつもより低い声。
耳に息がかかって、ぞくぞくする。
「…本当は今すぐ、藤川の…」
「わぁぁ待ってストップ!真山ストップ!」
一番恥ずかしいところを言われる前に、慌てて真山の口を塞ぐ。
あんな思い、一回で十分だよ。
「むー」
「も、もう大丈夫だから!ありがとう!」
「んー…」
「ひ…っ…!」
まだ口を塞いだままでいたら、手のひらに舌を這わされた。
くすぐったい、っていうか、なんかヘンな感じ。
(なっ…舐め…!?)
慌てて手を離すと、真山は楽しそうにくすくす笑っていた。
なんなの。
さっきの指といい、手といい…舐めるの好きなの?
「ふふ、真っ赤」
「うるさい…」
真山から目を逸らして、ココアに口をつける。
真山のせいで、すげー喉乾いた気がする。
(でもそっか、あれは本気だったのか…)
疑って申し訳なかったな。
けど、すげー嬉しい。
また心臓が早鐘を打ち始める。
あれ、ってことは……
(俺に触れて、せ…性欲とか…発散してるっていうのも…?)
すっごい恥ずかしい、しぬ。
いや、嬉しいけど。
俺の知らない間にそんな…
(…でも、手を繋ぐくらいじゃ性欲なんて誤魔化せないよな…)
つまり、それだけ真山に我慢させちゃってるってことで。
さっきから絡められている指先を、ちらりと盗み見る。
俺に触れてる今も、本当は我慢してるのかな。
できることなら、何とかしてあげたい…けど……
(…これは、もしかして…)
一度、俺が思い切って真山に体を委ねてしまうのが一番いいんじゃないか?
とか一瞬考えたけど、無理だ。
童貞の俺にはハードルが高すぎるよ。
(……どうしよう……)
どうしたらいいのかな。
もう一度、隣にいる真山を見やる。
大好きなのにな。
あとほんのちょっとだけ、勇気が足りない。
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