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唇
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真山の手を借りて、なんとか立ち上がって。
ベッドに腰を下ろすと、ぽすっ、とそのまま押し倒される。
ちゃんと体を支えてくれてたから、痛みも衝撃もなかった。
(…優しい……)
今の今まで意地悪だったのに、こういうときだけ優しくするから。
どうしていいかわからなくなって、ぼんやりと真山を見上げる。
「ふふ、真っ赤」
微笑んで、俺の頬を撫でる真山。
誰のせいだよって言おうとしたけど、反対側の頬にキスされて、何も言えなくなった。
手のひらが、服の上から体を撫でる。
「…う…真山……」
「なに?」
「………」
その手つきが、どうしようもなく恥ずかしいのに、それを拒絶することができない。
困っている俺の唇を撫でて、真山も困ったように笑った。
「どうしたの」
「…すげー恥ずかしい……」
「可愛いから大丈夫だよ」
「…っ…ばか」
耳元で囁く真山から、ぷいっと顔を背けた。
再び服の中に入ってきた指先が、脇腹をなぞる。
体が小さく反応してしまうのは、真山の指が冷たいせいだと、必死に自分に言い聞かせた。
そうでもしないと、恥ずかしくてやってられない。
なのに、当の真山にはデリカシーの欠片もない。
「…藤川。気持ちいいの?」
「なっ…!!」
「もっとする?」
「ふ、ぁっ…!?」
なんでそんなこと聞くの、と、抗議の声を上げようとしたけど。
肌を這う指先に、別の声が洩れてしまって、慌てて口を塞いだ。
顔も体も熱くて、くらくらする。
(…もうやだ、泣きそう……)
そんな俺を見て、満足そうな笑みを浮かべる真山。
どこまでもドSだ。
腕が退かされて、無防備になった唇に、また甘いキスが降ってくる。
「…っん、ふぁ…」
思考は一瞬でぼやけて、体に力が入らない。
呼吸も上手くできない。
なのにぜんぜん嫌じゃなくて、それどころか気持ちよくて。
(…俺、真山のこと…)
こんなに好きなんだ、って改めて思ったけど、今はキスされてて言えないから、そっと背中に腕を回した。
深くなる口付けに、涙が滲んでく。
「ぁ、まっ…んん……」
声も息も、ぜんぶ飲み込まれて、名前を呼ぶことすら叶わない。
別の生き物みたいに動く舌が、俺を追い詰める。
もう口の中は何をされても気持ちよくて、どうにかなりそうだった。
次第に、何も考えられなくなる。
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