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翌朝
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「…んー……」
だっっっるい。やばい。
(頭痛い…気がする…)
正確には、頭痛くなる一歩手前の感覚。
なんか頭も体も重い。
喉も痛いしもうやだ。
(でも休みたくねぇな…皆勤だし…)
…うん、薬飲んでマスクして行こう。
今日1日行けば明日は休みだって、昨日の俺が言ってたよ。
だから頑張るよ。
週末のバイトはやっぱり誰かに代わってもらうことになりそうだけど…。
(…あー…辛い……)
顔洗って着替えてメシ食って歯磨いて、薬を飲んでから家を出る。
マスクするとガラの悪さが4割増しぐらいになるんだけど、仕方ないから付けてく。
忘れ物をしてないか考えながらぼんやり歩いていると、駅で隣のクラスの成宮に会った。
「おー、藤川!」
「…はよ」
「顔色悪くね?どうしたの」
「風邪ひいたっぽい…」
「マジかよ、フラフラじゃん。大丈夫か?」
「んー…たぶん、薬効いてくれば大丈夫。なはず」
「そうか?無理すんなよ」
電車に乗り込むと、隅っこに連れてかれて、ぽんぽんと頭を撫でられる。
何このガキ扱い。
「ん…サンキュ」
ムカつくのを通り越して、へらへらと笑いが洩れる。
今日初めて笑った気がする。
成宮は、明らかにチャラチャラした見た目の俺にも、他のヤツと同じ態度で接してくれる。
自分では友達は多いほうだと思ってるけど、こいつはその中でも本当に親友って呼べる大事なヤツ。
本人には死んでも言わねぇけど。
「…大丈夫か?ぼーっとしてる」
「…大丈夫だよ」
「熱計った?」
「あー…計ってない」
「なんでだよ。学校終わったら病院行ったほうがいいよ?」
成宮の手のひらが、額に触れる。
本当に心配してくれてるんだろう。
自分の額にも手を当てて、熱さを比べている。
「…うん、熱い」
「マジで」
「うん。大丈夫?」
「大丈夫だって」
さっきも答えただろそれ。
同じ質問何回もすんのやめろよ、ただでさえしんどいんだから。
とか思いつつも、朝からこいつに会ったおかげで何かちょっと楽になったし、なんだかんだで感謝してる。
これも死んでも言わねぇけど。
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