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優しい真山くんとすごく眠い藤川くん
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「まだ寝ちゃだめだよ」
「…んー……」
真山が、いろいろなものをトレイに乗せて持ってきた。
ぼんやりとそれらを見ていると、顔に真山の影が落ちる。
「前髪おさえてて」
「…え…?」
「これ貼るから」
真山の手には、おでこに貼るとひんやりする例のシート。
これまでの経験からすると、いくら自分でできると言っても無駄な気がするので、大人しく前髪を押さえつける。
「冷たいけど我慢して」
ひやりと、おでこに冷たい感触。
さらに手のひらでそっと押さえつけられて、一気に寒さを覚える。
「もう離していいよ」
優しく俺の手をどけると、そのまま前髪を整えてくれた。
男同士でこんなの、気持ち悪いシチュエーションのはずなのに…すごく自然な仕草で、違和感もない。
「じゃあ次、熱はかって」
渡された体温計を脇に挟む。
次に用意されたのはスポーツドリンク。
「代謝を上げて、体内から毒素を出せば早く治る。だから、喉乾いてなくても飲むようにして」
こくん、と小さく頷く。
もう寝ていいかな。
本当に限界なんだけど…。
「まだ、薬飲むまで寝ちゃだめ」
困ったように笑う真山。
心を読まれたみたいで、ちょっと驚いた。
「その前になにか食べなきゃいけないんだけど…腹減ってる?」
「…うん…」
「お粥作ったら食べられそう?」
「食べる…真山が作るの?」
「…そんなに手の込んだものは作れないぞ?」
「んー、簡単なのでいいよ」
我ながら喋り方がとろい。
あと今まで意識してなかったけど、真山って声かっこいい。
「じゃあ作ってくる」
真山が立ち上がろうとすると、ピピッと体温計が鳴った。
熱はかってたの忘れてた。
「…はい」
体温計を手渡す。
どうでもいいけどすっごい眠い。
「…38度だな。平熱は?」
「…36度くらい……」
「…そうか。薬を飲んで寝れば、明日にはもっと下がると思うけど…」
心配そうに俺を見る真山。
目が合う。
「…お粥できたら持ってくるから、今はとりあえず寝てろ」
眠気MAXな俺を見かねてか、くすくす笑って、優しく頭を撫でられる。
気持ちよくて目を閉じると、いつの間にか眠りに落ちていた。
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