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拗ねないで
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「悪かったって」
まただ。
口では謝ってるけど、楽しそうにくすくす笑っている。
「悪いと思ってねぇだろ」
「思ってるよ。だから拗ねないで」
「拗ねてねぇよ!」
何なのこいつさっきから。
本当いちいちムカつく。
ズキン、と頭が痛んで、でかい声出したことを後悔する。
「…大丈夫か?」
俺が痛みに顔を歪めたのを見て、心配そうに尋ねる真山。
数分前の出来事を、忘れようとすればするほど意識してしまう。
「…誰のせいだよ」
「…俺だな、ごめん。からかいすぎた」
ぽんぽんと頭を撫でられる。
また例のガキ扱いだ。
いい加減にしろ、と言いかけてやめる。
せっかく作ってもらったお粥が、まだ半分以上残ってるのを思い出したから。
「……ばーか」
ぷいっと目を逸らして、再びお粥に口をつける。
視界の外で、真山が小さく笑うのがわかった。
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