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アドレス交換(ナチュラル)
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「…ごちそうさま」
「はい。薬飲んだら寝ていいよ」
「あー、もう速攻で寝るわ…」
用意された薬を飲んで、一息つく。
そう言えば、あいつらに家ついたら連絡するって言ってまだしてない。
まぁ、厳密に言うと俺の家じゃないけど…無事は無事だし、あとでメールしとこう。
あと、バイト先にも連絡しないと…。
「…藤川、これ」
「ん?」
「一応アドレス教えとく。リビングにいるから、何かあったら連絡して」
「え…なんでリビング?」
「なんでって…今から寝るんだろ?」
「寝るけど…そんな気遣わなくていいよ」
「いいって。食器片付けるついでだし」
「…………」
なんかもう何から何まで申し訳なくて嫌になる。
迷惑しかかけてない気がする。
(…いや、そんなことねぇよ。俺だって迷惑かけられてるわ。ツッコんだら頭痛は悪化したし、さっきは何故かすげー迫られたし……)
何だったんだろう、あのやけに甘ったるい雰囲気は。
いま思い出しても妙な感覚に襲われる。
トラウマになったらどうしてくれるんだ。
(でも…やっぱそれ以上に俺が迷惑かけてるよな……)
ベッドも部屋も貸切にしてもらって、メシ作ってもらって片付けまでやらせて。
ていうかそれ以前に、あと少しで線路に落ちそうなところを助けられたんだった。
あの時は頭回んなくてあんまり実感なかったけど、いま考えるとぞっとする。
もしも、あの場所に真山がいなかったら……。
(…治ったら何かお礼しないと)
そんなことを考えながら、ちらりと真山を見る。
何か考え事をしているのか、俺の視線に気付かない。
(……真山は、何が好きなのかな)
趣味とか特技とか、好きな食べ物とか。
俺は、真山のことを何も知らない。
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