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お泊まり
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「…ん……」
目が覚める。
あのあと真山が電気を消してくれたんだろう、部屋は真っ暗だった。
(何時だろ…)
近くにあったスマホで時間を確認する。
22時34分。
「…22時…!?」
寝たのは夕方だったから…4時間近く寝てたことになる。
2時間くらいのつもりだったのに、寝すぎた気がする。
(…真山いるかな……)
布団の中から、まだ体温の残ったブランケットを引っ張り出して羽織る。
さっきよりはちゃんと歩けるみたいだ。
そのままゆっくり部屋を出て階段を降りる。
(そう言えば、家の人と鉢合わせしたらどうしよう……)
この時間なら、もう家に帰ってるはず。
ちょっとどきどきしながらリビングに行くと、真山がソファで本を読んでいた。
「あ…おはよう、藤川」
「おはよう…」
ちょっとほっとしながら、真山の隣に座る。
かすかに紅茶の香りがする。
「よく眠れたか?」
「くっそ寝た。寝すぎた」
「もう暗いもんな…泊まってくか?」
「え……」
「こんな遅くに帰るのも危ないだろ。どうせ親は帰ってこないし、泊まっていっていいよ」
「え、帰ってこないの?なんで?」
「仕事が忙しくて、両親はほとんど家にいないんだ。帰ってきたとしても夜中とか明け方で、寝たらまたすぐ仕事行くし…一人で住んでるのと大して変わらない」
(…この広い家に一人で……)
寂しくないのかな。
まぁ、俺としてはちょっと気が楽だけど…。
「本当にいいの?」
「いいよ。家の人にちゃんと連絡するんだぞ」
「あー、うん。あとでするわ」
「あぁ。夕飯食べる?」
「…食べる……」
なんかまた申し訳なくなってくる。
俺、メシ食って寝てるだけだ。
風邪ひいてるとはいえ、もうちょっと…何かの役に立ったりしたいのに。
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