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ヘンな藤川くん
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「…いただきます」
「どうぞ」
なんかヘンだ、と思いながら、あったかいうどんをすする。
おいしい。
「美味しい?」
「うん」
「そうか、よかった」
嬉しそうに笑って、自分も食べ始める真山。
笑顔はちょっと可愛いかもしれない、とか思ってしまっている。
(…なに考えてんだ……)
風邪で判断力が鈍ってるとしか思えない。
だって、どう考えてもおかしい。
マジで落ち着け俺。
「ネギには発汗作用があって、大根には喉の痛みを抑える効果がある。ちゃんと残さず食べるんだぞ」
「え?あぁ、うん……」
……なんか俺、本当にヘンだ。
顔が熱くなってくる。
いや、でもほら、暑いのは今うどん食ったからだよ。
真山も発汗作用がどうのって言ってたし、うん。
「…藤川?どうした?」
「え?いや、別に何でも…」
何でもなくねぇよ。
俺も自分で自分がわかんねぇよ。
「…顔赤い。暑い?」
「えっ、と…ちょっとだけ…い、いま食ったから!」
「あ、あぁ…そうか?」
あー……めっちゃ変な目で見られてる。
うん、確かに今のはすげー不自然だった。
自分でもわかってるよ。
(くっそ…なんだこれ……)
突然沸き上がってきた感情に、どうしていいのかわからない。
甘いような苦しいような。
(……やっぱりヘンだ、俺)
ちらっと真山を見ると、ちょうど目が合ってしまって、慌てて視線を逸らした。
本格的にやばい気がする。
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