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ごちそうさまでした
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「ごちそうさま。美味かった」
「ん。よかった」
安心したように微笑む真山。
こんなに表情豊かなヤツだと思わなかった。
(……可愛い)
いや、待って?
いい加減にしろ俺。
冷静になれ。
「片付けは俺がやるから、部屋に戻ってていいよ」
食器を持って席を立つ真山を、慌てて追いかけた。
何から何まで全部やってもらうわけにはいかない。
「待って、片付けくらい俺も手伝う」
「なんでだよ。藤川は風邪ひいてるんだよ?」
困ったように笑う真山。
可愛い。
…じゃなくて。
「いくらなんでも迷惑かけすぎかなって…片付け手伝うくらいはできるよ」
「迷惑だなんて思ってない。だから、藤川はちゃんと風邪治すのに専念して」
「でも……」
「でもじゃない。片付け終わったら俺も部屋行くから…ちゃんといいこで待ってて」
ぽんぽんと頭を撫でられる。
……嬉しいはずないのに。
ちょっとだけ嬉しいかもしれない。
少し前までは、こんなことされてもバカにされてるとしか思えなかったのに。
「…じゃあ、先に部屋行ってる」
「うん。すぐ行くから」
階段を上ろうとすると、あったかくしてるんだぞ、と声を掛けられた。
うん、と小さく返事をする。
部屋に戻ったらすぐにベッドに入ろう。
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