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ごめん
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そっと真山の体を押し返す。
「…藤川?」
「……ごめん」
できるだけ顔を見られないように、うつむいて小さく零した。
真山が心配そうに俺を見る。
「ごめん。俺、何かした?」
「…ううん」
だめだ。
普通にしてなきゃいけないのに。
できない。
苦しくて、それどころじゃない。
「……悪りぃ、ちょっと…眠くて」
無理やり笑顔を作る。
今まで通り笑えてる自信はないけど。
自分が今なに言ってんのかも、よくわかってない。
「あぁ…もう寝ようか」
俺の不自然な笑顔に、たぶん気付いてる。
でも、優しく笑う真山は今まで通り、変わらないまま。
このまま何も言わないで。
気付かないフリしてて。
「俺のベッド使っていいよ」
「は…!?」
待って、なに言ってんの?
これ以上、俺をどうしたいの?
「俺、隣の空いてる部屋で寝るから。何かあったら呼んで」
「え、ちょっ……」
おやすみ、と微笑んで、立ち上がる真山。
慌てて俺も立ち上がると、軽い目眩がしてふらついた。
そうだ、俺いま風邪ひいてんだった。
「…っ…大丈夫か?」
真山が、咄嗟に俺の体を支えてくれる。
そのまま、服の裾にしがみつく。
「……やだ」
「え?」
「…なんで隣の部屋なの。布団持ってきて、ここで寝ればいいじゃん」
なに言ってんだ俺。
自分でも信じられないくらいわがまま言ってる。
こんなのだめなのに。
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