アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
おやすみなさい
-
「……寝ようかな」
「あ、うん。ごめんな、夜中まで」
結局ぜんぜん眠くない俺は、寝転がってスマホをいじってた。
たまに、ちょっとだけ真山のこと見ながら。
「いや、それは大丈夫だけど…あんまり夜更かしするなよ?」
「うん。もうちょいしたら俺も寝るわ」
「わかった。おやすみ」
「おやすみ。いろいろありがとな」
「うん」
照明のリモコンを俺に渡して、真山が布団に潜る。
どこまでも気の利くヤツだな。
(ちょっと変わってるけど、やっぱり基本は優しいのかな……)
……なに考えてんだ俺。
これじゃ好きになる一方じゃねぇか。
いや、そもそも好きじゃねぇよ。
なに考えてんだよ本当に。
相手は男だって、何度も言い聞かせてんだろ。
(……うん…言い聞かせてる、はずなんだけどな……)
なんか頭痛くなってきた。
寝る前にスマホいじるのもよくないって聞くし、俺ももう寝よっかな。
(…………)
そーっと、ベッドから真山の顔を覗き込む。
メガネを外して、寝息をたてるその顔は、いつもより無防備に見えた。
(……可愛い)
ふと思ってしまってから、また自己嫌悪に陥る。
なんでナチュラルに可愛いとか思っちゃうんだ俺は。
男だって言ってんのに。
わかってるのに。
(…もうやだ、寝る)
自分で自分に嫌気が差して、大きくため息をついた。
部屋の電気を消して、真山に背を向けて。
無理やり思考を止めるように、目を閉じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 247