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パニック
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(っ…やば……!)
ドン、と、部屋に大きな音が響く。
咄嗟に真山の顔の横に手をついたけど、顔が近すぎて一気にパニックになる。
恥ずかしいとか、でも嫌じゃないとか、でもやっぱり起こしちゃったら申し訳ないから早く退かなきゃとか、もしかしたらもうすでに起こしちゃってるんじゃないかとか。
色んな感情がぐちゃぐちゃになって、混乱して動けない。
「…ん……」
小さく顔をしかめる真山。
うるさかったよな、ごめん。
早く退かなきゃ。
「…………」
真山の表情が、すぐに元に戻る。
規則正しい寝息が聞こえる。
(…起きてない、のか……?)
少しほっとして、落ち着くために深く呼吸する。
真山の、長いまつげが揺れる。
(……すげーきれい)
真っ白な肌に、柔らかそうな髪。
暗闇に慣れた目に映るのは、真山だけ。
ぎゅぅっと胸が苦しくなる。
「…真山……」
小さく、小さく、名前を呼んだ。
もうちょっとだけ。
このままでいたい。
ほんの少しだけ、視界が滲む。
(…どうしたらいいの)
もうわかんない。
自分の感情も、真山の考えてることも。
嫌なヤツだと思ってたのに、すごい優しくて。
でもやっぱり俺をからかってきて、かと思えばそれだけじゃなくて。
好きなわけないのに。
なんでこんなに苦しいの。
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