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怒んないで
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「…はぁ……」
あれからしばらく部屋にいたけど、さすがに寒くなってきた。
せっかく治ってきたのに、また風邪でもひいたら真山に迷惑かけるし、そろそろ観念して出ることにする。
重い体をどうにか立ち上がらせて、ゆっくり部屋のドアを開ける。
「…遅いよ」
「っ!?」
足元から声がして、心臓が飛び出るかと思うくらいびっくりした。
見ると、真山が廊下に座り込んでいる。
「…なんで……」
「ばか」
立ち上がったかと思うと、俺の言葉を遮って、乱暴に俺の肩にブランケットを掛けた。
「…なんですぐに出てこないんだ。まだ風邪治ってないだろ」
「…ごめん……」
真山の、刺すような視線が俺を襲う。
やばい。
めっちゃ怒ってる。
なんとかして鎮めようと、気になってたことを口にする。
「…真山が、廊下で待ってるなんて思ってなかったから…真山のほうこそ、風邪ひいたりしたら……」
「俺はいいんだよ。自分の体の心配しなよ」
「…………」
だめだ。
心が折れそうになる。
俺、何してんだろ…本当にバカだ。
「せっかく治りかけてたのに、ぶり返したら意味ないだろ。もう少し考えて行動しろ」
「…はい…ごめんなさい……」
怖さと申し訳なさで、顔を上げられない。
反省してるから怒んないで。
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