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「…これなに?」
「マシュマロ」
「へー……」
ココアには、何か白っぽいものが浮かんでいた。
ココアの香りだけじゃない、やたら甘ったるい匂いの正体はこいつだったのか。
「レンジで加熱して溶かすと、食感が変わるんだ」
「ふーん…いただきます……」
こくん、と一口飲んでみる。
甘くて熱くて、体の芯から温まる気がした。
「…美味しい……」
「そうか。よかった」
安心したように微笑んで、真山もココアを飲む。
意外と甘いもの好きなのかな、とか、何となく考える。
「これ、昔から好きなんだ」
「あ、そうなんだ」
「誰にも言ったことないけどな。藤川は特別」
「え?」
いたずらっぽく笑う真山。
顔が熱くなって、どうしていいのかわからなくて、目を逸らした。
なんでこんなに、嬉しくなるようなことばっかり言うんだろう。
「藤川は甘いもの好き?」
「あー、えっと…普通かな……なんで?」
「今度、お菓子でも作ってみようと思って」
「え……マジで?」
何それ、ギャップやべぇ。
惚れる…いや、落ち着け俺。
「変かな、やっぱり」
くすくす笑う真山に、きゅぅっと胸が苦しくなる。
可愛い。
「いや、全然!変じゃないと思う…」
「本当に?じゃあ、作ったら食べてくれる?」
「もちろん!」
「そうか。それなら、藤川のために作ろうかな」
「な…っ…!」
顔が一気に熱くなるのがわかる。
そんな嬉しそうに笑わないで。
(…くっそ…すげー暑い……)
跳ね上がった体温をどうにかしようと、慌てて真山から目を逸らした。
あんな笑顔、反則だろ……。
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