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ありがと
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「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした…」
あの後、気まずい朝食を何とか終えて、ちょっとひと息。
案の定、真山に心配されたけど、「何でもない」で通した。
できるだけ自然に、って思いながら接してたけど、意識し過ぎないのもそれはそれで問題だな……。
「藤川、体調は?」
「あー、もう全然大丈夫っす。おかげさまで」
「そうか、よかった」
安心したように笑う真山。
可愛い。
「ありがとな、いろいろ」
「ううん。でも、あんまり無理はするなよ?」
「わかってるって」
心配症だなぁ、と思ってまた笑う。
なんでこんな優しいんだろ。
体調悪い人は放っておけないのか?
医者志望だから?
(…誰に対しても、こうなのかな)
例えば、俺じゃなくて他のクラスメイトでも。
あんな風に笑ったり、弱ってれば抱きしめたりするのだろうか。
パジャマを貸してくれたり、心配のあまり怒ったりするのだろうか。
(…やだなぁ……)
ちょっとだけ想像してしまって、胸が痛くなる。
俺だけの真山でいてほしいのに…なんて、無理なのはわかってるけど。
「…どうした?」
「…ううん、何でもない」
「そう?」
「あの、俺、着替えてくるわ!」
無理やり話を終わらせて、席を立った。
不思議そうにする真山。
自分でもかなり不自然だと思うけど、そのまま部屋に戻った。
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