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ちょっとだけ
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「はぁ……」
着替えを済ませて、脱いだパジャマはたたんで、ベッドも綺麗に整えて。
忘れ物をしてないか、部屋を見渡す。
(……おっけーかな)
ちょっとだけ寂しい。
一日ここにいただけなのに。
もう、永遠にここに来れないわけでも、永遠に真山に会えないわけでもないのに。
話したことも、触れたことも。
真山との全部が、ここにある気がした。
「…ばいばい」
しまっておこう。
自分の想いと一緒に。
もう来ることはないかもしれないけど。
「もう行くの?」
荷物を持ってリビングに顔を出すと、真山が驚いて俺を見た。
まだゆっくりしてていいのに、と言いながら、俺がいる玄関の電気を付けてくれた。
「駅まで送るよ」
「え……」
「上着持ってくるから待ってて」
微笑んで、ぽんぽんと俺の頭を撫でる真山。
また例の心配症か、と思いながら、ちょっとだけ嬉しくなる。
「お待たせ。行こ?」
「おー」
二人で一緒に家を出る。
もうちょっとだけ、真山といられるみたいだ。
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