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初めての
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「あの、真山…っ…!」
午前の授業が終わって、昼休み。
タイミングを見計らって、真山の席に向かった。
「…この間はありがとう」
缶のココアを差し出す。
何にしようか迷ったけど、これならたぶん飲んでくれる。
「あぁ…これは何?」
「え?奢り」
「いや、いいよ。気持ちだけ貰っとく」
「だめ、飲んで」
「なんでだよ」
くすくす笑う真山。
真山のために買ったからに決まってるだろ。
「それより、みんな見てるぞ?」
「え?」
そこでようやく、教室がかなり静かなことに気付いた。
真山の席は一番後ろ。
その真山と向かい合って話してる俺には、教室のみんなが見えてなかった。
恐る恐る振り返ると…クラス中の全員が、俺と真山のやり取りを見守っていた。
「…あいつ、急にどうしたんだ?」
「真山と初接触じゃないか?」
「いつの間に仲良くなったんだろ」
「なんでジュース渡してんの?」
「パシられてんじゃね?」
「おい、最後言ったの誰だよブッ飛ばすぞ」
またあいつらだよ、カスみたいな俺の友達だよ。
聞こえてんだよアホ。
「なになに、実は二人って仲いいの?」
「ていうか、真山の笑ってる顔初めて見たかも」
「俺も!意外と可愛いな、真山」
わらわらと人が集まってきて、あっという間に囲まれる俺と真山。
お前らの、こういうときの団結力は何なんだよ。
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