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人気者!
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「え、じゃあ真山、命の恩人じゃん!」
「優しいんだなー…」
「俺も今度、風邪ひいたら真山ん家泊まりに行くわ」
「オレもオレも!」
「じゃあ俺は普通に遊びに行くわ」
「何それずるい!」
あの後、みんなから質問攻めにあって、ホームで助けてもらったことと、家で看病してもらったことをさらっと話した。
クールな印象だった真山は、意外に愛想がいい奴だと、株が絶賛上昇中。
声がイケメンだの笑顔が可愛いだの、いろいろ言われている。
「…どうしよう、藤川」
小さな声で、俺に助けを求めてくる真山。
急に人気者になってしまって、困ってるみたいだ。
「このままじゃ、収拾つかなくなりそう…」
「そうだな、もうすぐ授業も始まるし……お前ら、そろそろ席戻れよ」
「えーなんでー」
「なんでじゃねぇよ。はい、解散」
「えぇぇー」
「えーじゃない!」
嫌がるみんなを、何とか真山の周りから離す。
俺も席に戻ろうとすると、待って、と真山に腕を掴まれた。
「…ありがとう」
小さく微笑んで、耳元に顔を近付けて。
俺にしか聞こえない声で囁いた。
途端に顔が熱くなる。
「っ…おぅ……」
咄嗟に返事をして、すぐに席に戻った。
顔なんて見れないまま。
「あずにゃん、お顔赤いよ?どうしたの?」
「どうもしてねぇよ…」
「風邪じゃね?」
「いや、勘弁してくれ」
「藤川、ノート見せて!」
「…………」
またか。
もうやだ、こいつらの世話すんの……。
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