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放課後
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「いやー、さっきのツッコミナイスだったわ、藤川!」
「ツッコむだろ、そりゃ…あのままじゃ全員、携帯没収されてたぞ?」
「おかげでオレ、前半の訳ぜんぜん理解してないもん」
「お前は普通に授業聞いてても理解できないだろ」
「はい。」
ホームルームが終わって、教室を出る。
この後は、部活やらバイトやらでみんな忙しい。
「宮ちゃん、一緒にかえろー?」
「おー。どっか寄ってく?」
「あ、あのね、ぼくケーキ食べに行きたい!」
「わかった、行こっか。じゃあな、みんなー」
「ばいばーい♡」
「…………」
呆気にとられる俺たちを置いて、森下と宮部は先に帰っていった。
爆発しろ、と林が低く呟く。
あの中田ですら大きくため息をついたのを、俺は聞き逃さなかった。
「…泣くなよ、お前ら」
「うるせぇバーカ」
「俺、今日の部活がんばれそうな気がする」
「おぅ、頑張れ」
中田の寂しそうな背中を見送って、林と二人きりになる。
なんとなく目が合う。
「…藤川、今日バイトだっけ」
「うん。お前は?」
「直帰」
「おぅ」
こいつは、学校から徒歩5分という、くそ羨ましい立地のマンションに住んでいる。
今の高校に進学した理由は近いから。
このクズな感じが林っぽい。
「じゃあな、林」
「うん。藤川がバイトでミスしますように?」
「ふざけんなよ」
「冗談だって。じゃあね」
楽しそうに笑いながら、ひらひらと手を振る林。
小さく振り返して、駅に向かった。
どこまでもゲスなやつだ。
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