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特別
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「な…なに?」
「いいから、きて」
何故か手を取られ、教室の一番後ろにある真山の席に連れていかれる。
クラスは少しずつ静かになって、やがて全員の視線が俺たちに向けられた。
小さな話し声が聞こえる。
「呼び出しだー」
「藤川、顔赤くね?」
「やっぱ特別扱いなんだな…」
ああああめっちゃ恥ずかしい。
そうだよな、顔赤いよな…いや、そもそもみんな、なんでこんなに見てくんの?
ていうか……
(…そうか、俺って特別扱いされてんのか……)
あんなにやきもち焼く必要なんてなかったのかな、とか考えていると、教室の隅で、真山が振り返る。
「…バイトお疲れさま」
俺にしか聞こえないくらいの小さな声と、俺にだけ向けられる笑顔。
きゅぅっと胸が苦しくなる。
「…ありがとう……」
熱い。
やばい。
背中にみんなの視線が刺さって、恥ずかしさに拍車がかかる。
「今日は遊びに来る?」
温かい声が降ってくる。
そっと顔を上げると目が合って、頬を撫でられた。
「う、うん…行こうかな……」
目を逸らせないまま、小さく答える。
やっぱり冷たい指先が、熱い頬に触れて気持ちいい。
「じゃあ、一緒に帰ろう?」
優しく微笑んで、俺の唇に触れる真山。
恥ずかしさがピークに達して、しにそうになる。
声を出せないまま小さく頷くと、真山が嬉しそうに笑った。
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