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手
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「…真山…?」
心臓が跳ねる。
この間、駅で別れ際に、指輪を嵌められたのを思い出す。
「俺は、藤川と付き合ってるって思われてもいいよ」
「へ……?」
何それ、よくないよ。
こっちの身がもたねぇよ。
いや、嬉しいけど…え?
どういう意味…?
「あぁ、でも…実際は付き合ってるわけじゃないから、騙してるみたいでなんか後ろめたいな……」
「…うん…?」
俺から目を逸らして、考え込んでしまう真山。
何を考えてるのか、よくわからない。
(やっぱり、ちょっと変わってんなぁ……)
一瞬どきどきして損した。
気を取り直して、帰り支度をしようと思ったけど、まだ真山に手を繋がれてることに気付く。
「あの、真山…手……」
「ん?」
「…そろそろ帰らない?」
「そうだね」
「……あの…真山…?」
「ん?」
「…手、離してくれると嬉しいな……」
「なんで?」
なんで…!?
いや、こっちのセリフだよ。
手繋いだまま帰る気なのか?
だめだよ、そんなの。
いろいろアウトだよ。
「このままでも、支度できるでしょ?」
「…できるけど……」
やばい、確実に真山のペースに飲まれてる。
本当に手繋いだまま帰る気だ。
「…嫌なの?」
「そっ、そういうわけじゃ…ないけど……」
そろそろやばい。
体が熱い。
「…あの…誰かに、見られたりしたら……」
想像するだけで、目眩がするくらい恥ずかしい。
声がだんだん小さくなってくのが、自分でもわかった。
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