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久しぶり
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「どうぞ」
「お邪魔します…」
久しぶりの真山の家。
今日も家の人はいないらしく、リビングは真っ暗で寒かった。
「飲み物持ってくから、先に部屋行ってて」
「わかった。じゃあ、荷物だけ持ってくな」
「ありがとう。エアコン入れていいから、暖かくしてて」
「おー」
真山の荷物を持って、階段を上がる。
部屋に入ってエアコンをつけて、あのブランケットにくるまった。
(あったかい……)
真山の匂いがして、どきどきするけど安心する。
もう来ることはないかもしれない、と思いながら後にした部屋。
ずっとこのまま、友達のままでいようって思ってたけど。
無理かもしれない、と思い始めていた。
(…いつかは、伝えなきゃいけないのかな)
卒業までずっとしまい込んで、嫉妬だけし続けて。
それはさすがに精神衛生上よくない。
けど、気持ちを伝えて嫌われたくないのも確かで。
すぐには結論は出ない。
「…真山……」
「あれ、呼んだ?」
「っ!?」
ちょうど部屋に入ってきた真山。
名前呼んだの聞かれた。
「っ…びっくりした……」
「ごめん」
くすくす笑いながら、俺の隣に座る。
紅茶のいい香りがする。
心なしか距離が近くて、嬉しいけど緊張する。
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