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心配なの
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不思議そうに俺を見る真山。
当然だろう。
昨日も同じ話したんだから。
(変なヤツって思われてるだろうな…)
それでもいい。
本当に何もないってわかるなら。
「ちょっと勉強教えただけだよ」
「それ以外は?」
「何もないって」
「…本当に…?」
「なんでそんな顔するの」
困ったように笑って、抱きしめてくれる真山。
泣きそうになる。
「小テストがあるっていうから、わかんないところ少し教えただけ。その後は適当に話して帰った。2時間もいなかったと思うよ」
「…そうなの…?」
「うん」
真山に背中を撫でられて、少しずつ落ち着いてくる。
ケーキの甘い匂いがする。
「藤川が何をそんなに心配してるのかわからないけど、とにかく何もないよ」
「…わかった……」
はぁ、と、小さく息をついた。
抱きしめられてるから当たり前だけど、あったかくて安心する。
「雅は…見た目はあれだけど、そこまで悪いヤツじゃないから」
のほほんと話す真山。
だから心配なんだよ。
「……ふーん」
幼馴染みの真山でも、知らないところがあるかもしれない。
いつからか、真山のこと好きになってたとしたら?
「幼馴染みって言っても、ただの腐れ縁だし…」
そう思ってるのは、お前だけだったらどうするの。
ある日突然、あいつに何かされたら。
でかいから抵抗しても勝てないんだよ。
真山に何かあってからじゃ遅いんだよ。
「…真山……」
ぎゅっと服にしがみついた。
あいつのものになんかならないで。
「藤川…?」
驚いたような真山の声。
俺を抱きしめ直して、頭を撫でてくれる。
冷たい手は優しくて、苦しくなって目を閉じた。
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