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ほんとのきもち
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申し訳ないとか、恥ずかしいとか、好きとか。
いろいろな感情が混ざって、涙が零れた。
ぼやけてた視界が、一気にクリアになる。
「…相談しなくても、いつも…力になってる、っていうか……」
あぁ、もう言葉がめちゃくちゃだ。
耳まで真っ赤になってるのが、自分でもわかる。
「…真山は、いてくれるだけで……」
俺の力になってるんだよ。
恥ずかしくてしにそうだけど。
どうしても伝えたかった。
真山が驚いたのが、顔を見なくてもわかる。
「…本当に?」
うんって言おうと思ったけど、上手く声が出せなくて、こくんと頷く。
涙が、真山の服を濡らしてしまう。
「よかった…」
安心したように笑って、そっと体を離す真山。
でも泣いてる俺を見て、また抱きしめてくれる。
「…俺でも、少しは藤川の力になれてるってこと?」
「…うん……」
少しじゃなくて、いつも力になってくれてるんだけど。
いっぱいいっぱいで、上手く話せない。
「…嬉しい」
優しく囁く声。
ぎゅっと俺を抱きしめる腕。
体が熱い。
「…真山……」
いつか、ちゃんと言えるのかな。
弟としてじゃなくて、恋愛対象として見てほしいこと。
あいつにも、クラスのみんなにも、やきもち焼いてたこと。
俺をずっと悩ませてたのは、真山なんだってこと。
「…藤川あったかい」
心臓の音は、のんきに笑ってる真山にまで届いてしまっているだろうか。
それでも、今だけは離れたくなくて、そっと背中に腕を回す。
真山もあったかい、と思いながら、ゆっくり目を閉じた。
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