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からかわれる藤川くん
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「ねぇ、藤川」
「ん?」
「これ、一つの袋にまとめて渡したほうがいいかな」
「あー、そうだな」
真山の提案で、歩きながら協力して袋の中身を入れ替えた。
どうでもいいけど、さっきから唐揚げがいい匂いでムカつく。
(帰ったら1コ貰おうかな…)
ついでとはいえ、こんな寒い中わざわざ買いに行ってやったんだから、一個くらい貰っても罰は当たらないだろ、と考えてから、当の唐揚げを頼んだ人物を思い出す。
(そうだった、これ林のだった…ぜってー貰えないじゃん……)
でもポテトなら…中田のだから、もしかしたら貰えるかもしれない、とかなんとなく考えていたら、いつの間にか教室に着いていた。
ドアを開けた瞬間、あいつらからのブーイング。
「あー!藤川、お前なにいつの間にかデートしてんの?」
「ていうか遅せぇよ」
教室中の視線が、俺と真山に集まる。
なんか…なに、このデジャヴ。
「遅いのはごめん…ていうかデートじゃねぇから!たまたま会っただけで…」
「最初から真山と行くつもりだったのか?」
「キモいわー」
「いや、話聞けよ」
とりあえず、頼まれたものを先に渡す。
中田はちゃんとお礼を言ってくれたけど、林は言わないから腹立つ。
「真山もこっち来いよ!一緒にメシ食おうぜ!」
「え…いいの?」
「当たり前だろ!」
「藤川の彼氏だもんなー」
「はぁ…!?」
何言ってんのこいつら。
付き合ってないって、昨日からずっと言ってるのに。
「付き合ってねぇって言ってん…」
「まーまー、照れるなって」
「照れてねぇよ!」
「お顔赤いよー?」
「うるせぇよ…」
もうやだ、嫌い。
なんでこんなことになってんの。
「あれ、藤川どうしたの?顔赤い」
自分の椅子を持って戻ってきた真山が、俺の隣に座った。
みんなは、ニヤニヤしながら俺と真山を見ている。
(…何、このアウェー感…)
辛すぎてため息が出る。
本人が無意識に追い討ちをかけてくる辺り、マジでたちが悪い。
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