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じこちゅー反対!
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「…これからはもう…必要以上に藤川のそばにいないようにするね」
微笑んで、寂しそうに呟く真山。
ズキン、と胸が痛む。
「…なんで……」
それ以上、何も言えなかった。
何も考えられなかった。
ゆっくりと、真山の体が離れていく。
「ごめん、そんな顔しないで」
困ったように笑って、俺の頬に触れた。
冷たい指。
苦しいのに、なぜか涙は出なかった。
「…あのね」
ちょっとためらったあと、もう一度抱き寄せられて、また俺の耳元で。
唇が触れそうなくらい近くで、真山が話し始める。
「藤川が可愛くて、つい人前でも意地悪したくなっちゃうけど…」
こいつにも一応、意地悪の自覚はあったのか。
その辺の感覚は普通の人と同じだとわかって、ちょっと安心していると、ふわふわと髪を撫でられる。
こういうことするのも、今日で最後のつもりなのかな。
「俺が一緒にいると、藤川に迷惑かけちゃうから…ごめん」
苦しそうな声。
こんなの、真山らしくない。
「……やだ」
「え?」
驚いて俺を見る真山。
まっすぐ見つめ返す。
(…やばい、真山かっこいい…)
じゃなくて、落ち着けよ俺。
深く息を吸って、今度こそ真山に向き直った。
「…勝手なこと言ってんなよ。俺の意見も聞けよ」
きょとんとしながら俺を見る。
かわいい。
じゃなくて…もうやだ俺。
こんな大事なときに、なに考えてんだろ…バカなのかな。
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