アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
宮部くんと森下くん
-
「ま、とりあえず思ってたより元気そうでよかったよ」
「ほんとほんと。俺らのせいですげー病んでるんじゃないかと思って、心配したんだぞ?」
「そっか、ごめんな…疲れたけど、そこまで病んでないから大丈夫」
「あずにゃん大丈夫ー?」
「うん、大丈……っ!?」
待って、すげー重大なことに気付いた。
なんで森下は、まだ俺に抱きついてんの…!?
(宮部が目の前にいるのに…!)
「ちょっ、森下!」
慌てて、小声で森下に話しかける。
小声だろうが何だろうが、この距離じゃ宮部に聞こえちゃってると思うけど。
「ど、どうしたのあずにゃん…?」
森下も、慌てて小声で返してくる辺りは可愛いけど、そんな悠長なこと言ってる場合じゃない。
「お前、早く手離せよ…!」
「え、なんで…?」
「宮部がすぐそこにいるから!下手したら俺がブッ飛ばされるんだけど…!」
「あ、あずにゃんにはきっと何もしないから大丈夫だよ!」
「え?なんでそんなこと…」
「お仕置きされちゃうのは、あずにゃんじゃなくてぼくだから…」
「…は…?」
「でも、ぼくお仕置きだいすきだから、大丈夫だよ…?」
「…………」
そうだった、こいつはこういうヤツだった。
知ってはいたけど、いざこうして生々しい話をされると、開いた口が塞がらない。
「あぁ…そうですか……」
怖すぎだろ、こいつ。
可愛らしく頬染めながら何言ってんの。
子どもみたいな、たどたどしい喋り方で、なんて内容を話してんの。
「…と、とりあえず、宮部のところに戻ろうか?な?」
やんわりと腕をどけると、うん、と素直に頷いて、宮部のほうに駆け寄って行った。
俺にしてたみたいに、嬉しそうにぎゅうぎゅう抱き着いている。
(森下、ほんとに怒られたりしないかな…)
ちょっと不安になって、しばらく二人を眺めていたけど。
宮部は別に怒ってる様子もなく、森下を抱きしめてなでなでしている。
「おかえり、ヒロ」
「ただいまー♡」
「ちゅーする?」
「…うん…」
耳まで真っ赤になりながら、嬉しそうに宮部とちゅーする森下。
ここ、往来のド真ん中だけどいいのかな…とか思ってたら、林が思いっきり舌打ちした。
(けどよかった、とりあえず大丈夫そう…)
でも、宮部はやきもち焼いたりしないのかな、と考えたところで、さっきの森下のセリフを思い出す。
『あずにゃんにはきっと何もしないから大丈夫だよ!』
『ぼく、お仕置きだいすきだから…』
「…………」
まぁ、そういう愛情の形もあるってことだよ、うん。
俺が口出しすることじゃないし、二人が幸せならそれで……
(……それで……)
…うん、ごめん。
やっぱり怖いわ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
120 / 247