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泣き虫な成宮くん
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「待っ…成宮!?お前どうしたの…」
「あー、藤川泣かせたー」
「えぇぇ俺!?」
突然、くすんと鼻を鳴らして、涙を浮かべる成宮。
俺が悪いみたいになってるけど、俺は何もしてない。
(…してない…よな…?)
「そっか、藤川知らないのか」
「え?」
「昨日、成宮が一番心配してたんだぞ。オレら、すげー責められてさぁ」
「そうそう。お前ら、藤川のこといじめたのか!?って」
「いじめた…って、昨日のこと?」
「うん、まぁ俺らはいじめたつもりじゃなかったんだけど…藤川が明日から学校来なくなっちゃったりしたら、お前らのせいだからな!って」
そんなことがあったのか。
でも、それでなんで成宮が泣くことになるのかわからない。
とりあえず、ぽんぽんと成宮の頭を撫でて慰める。
「…え、それで?なんで成宮は泣いてんの?」
「はぁ?お前ほんと鈍いな…」
「それだけ心配してたんだろ、お前のこと」
(…え?)
「えぇぇぇマジで!?」
何それ、そんな…そんなんで泣くとか、どういう……
いや、嬉しいけど。
なんかもう申し訳なさすぎて…
「…そ、そうなのか成宮…?」
「うるせーよ!悪かったな…」
ぐすぐすと涙を拭いながら、悪態をつく成宮。
強がってるけどボロ泣きじゃねぇか。
「…ごめん、心配かけて」
「……ばか。本当に心配したんだからな…」
そうだった、こいつはこういうヤツだった。
最近は俺も、真山のせいでいっぱいいっぱいになって、泣くこともあるけど…普段は滅多に泣いたりしない。
でも成宮は、誰が見ても正真正銘の泣き虫だ。
「オレらが藤川に謝ったのだって、成宮にすげー文句言われたからだもんな」
「うざい顔文字付きでな?」
「うん。あれが女子だったら可愛いけど、成宮だから可愛くない」
「お前ら、追い討ちかけるのやめてやれよ…」
泣かせた張本人の俺が言うことじゃないけど。
しゅんとしながら抱きついてくる成宮が、ちょっとかわいそうになって、思わず抱き返した。
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