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翌朝
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「あー!藤川おはよー!」
「…はよ」
翌朝。
学校に向かう途中、駅で成宮に会った。
昨日の今日だからか、いつにも増してハイテンションで、めんどくさい予感しかしない。
「昨日はバイトお疲れ♡」
「おぅ。朝から抱きつくのやめろ」
成宮を体から剥がして、電車に乗り込む。
車両の隅で、二人並んで壁にもたれかかった。
成宮が、でれでれしながら話し始める。
「あのねー?昨日のばいばいする前のねー?藤川に言われたこと、めっちゃ嬉しくてねー?」
「…うん」
「藤川ねむいの?」
「いや、別に」
「じゃあなんでそんなテンション低いの」
「別に低くねぇよ。お前が高すぎるだけ」
「だって昨日の嬉しかったんだもん!」
「わかったから、もうちょい静かに話せよ」
「えぇー」
「えーじゃない」
頬を膨らませながらも、ようやく静かになる成宮。
でも、すぐにまた嬉しそうにでれでれし始めて、キモいから他人のフリしたい。
ふぁ、と小さくあくびをする。
(寝たいなぁ…学校だりぃ…)
こうやって、毎日だりぃなぁ、と思いつつも、結局休まずに学校に行くのは、やっぱりなんだかんだで学校が楽しいからなのかな。
ふと前を見ると、大きな荷物を持った大学生らしき女の子が二人。
旅行にでも行くんだろう、ガイドブックを広げて楽しそうに話している。
(いいな、俺も旅行いきたい…)
まだ学校にすら着いてないけど、帰りてぇな、と考えていると、昨日の約束を思い出した。
そういえば、今日は真山と帰るんだっけ。
そんな日に限ってサボるわけにはいかない。
「あ。降りるぞ藤川ー」
「おー」
またいつも通りの退屈な一日なんだろうな、と思いつつも、今日も学校に向かう。
早く放課後にならないかな。
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