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相変わらず
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ぶつかったのは、よりにもよって雅だった。
真山の幼なじみのあいつだ。
「何してんの、こんな時間に」
「…バイトの帰り」
今日もピアスやら指輪やら付けて、すげー派手な格好してるけど、顔が綺麗だから正直めっちゃ似合ってる。
(パンクっていうか、なんだろう…原宿系…?)
その辺はあんまり詳しくないけど、とにかく普通の人じゃ絶対に着こなせないようなファッションで、相変わらず威圧感がすごい。
顔を上げてないと目線が合わなくて、まともに会話できないのがムカつく。
「どこでバイトしてんの?」
「…どこでもいいだろ」
「ぁあ?」
あぁだめだ、めっちゃ怖い。
見下ろすんじゃねぇよ、って言いたいけど言えない。
なんでこんなに背高いの。
「教えてくれたら遊びに行ってやるよ」
「いいよ、来なくて」
バイト先を教えるなんて、そんなアホみたいなことしてたまるか。
これ以上ストレスの原因が増えたら、マジで鬱になる。
「お前、チビのくせにムカつくな…」
「チビって言うな」
「あ?チビはチビだろ」
「うるせぇよ…」
こいつ本当に嫌い。
何なの。
ムカつくなら、これ以上関わってくんなよ。
「…もういいだろ。帰らせろよ」
「あー、バイト帰りなんだっけ?」
「終電あるから」
「ふーん…じゃあな」
ひらひらと手を振って、離れていく雅。
意外とあっさり解放してくれて、ちょっとびっくりしたけど、安心して大きく息をついた。
(…疲れた……)
重い足を引きずるようにして駅に向かう。
ただでさえ疲れてるのに、終電ギリギリですげー焦って、ちょっと走ることになったから、やっぱり雅は嫌いだ。
(眠い…寝たい…)
電車の中は暖かくて、やっと少し落ち着いた。
でも寝過ごしたら洒落にならないから、必死で眠気をこらえながら、ようやく家路についた。
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