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目の腫れの治し方
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「…いいこだね、藤川」
甘く囁く声。
耳に、ほんの少しだけ唇が触れて、ぴくんと震えてしまう。
(…なんで褒められてるんだろう…)
よくわかんないけど、嬉しいから大人しくしとく。
耳とか顔が熱くて、ちゃんと頭が働かないから、もう余計なことは考えないことにした。
「…そろそろ部屋に戻ろうか」
「…ん……」
しばらく抱きしめてもらっていると、気持ちよくて眠くなってきた。
くすくす笑いながら、頬を撫でられる。
「…なんで笑うの」
「可愛いからだよ」
「…………」
幸せそうに微笑む真山に、何も言えなくなってしまう。
そっと手を握られて、思わず真山を見る。
「もう眠いんでしょ?」
「…うん…」
「じゃあベッド行こうね」
小さく笑いながら、ソファから立ち上がる。
また子ども扱いか、と思ったけど、早く寝たいのは本当だったので、そのまま真山について部屋に戻った。
「はい、座って」
「ん」
適当に腰を下ろすと、隣に真山が座った。
向かい合って座って、目を閉じるように言われる。
「…何するの?」
「さっき言った、目の腫れを治すマッサージ」
「あー、忘れてた…」
そんなのあるんだなぁ、と思いながら、大人しくする。
目の上から、こめかみの辺りにかけて、優しくマッサージされる。
「痛くない?」
「うん」
次は目の下から。
気持ちよくて、またちょっと眠くなってきた。
「…はい、おしまい」
「え、もう?」
「もう一つあるから、ベッドに横になって」
「おぅ…」
言われた通り、ベッドに寝そべって真山を見る。
いつの間にか、コットンと化粧水を持ってる。
「…どうしたの、それ」
「さっき母親の部屋から借りてきた」
「勝手にそういうことしていいのか…?」
「ほとんど家にいないからいいんだよ」
化粧水を染み込ませたコットンを、まぶたの上に置いて、10分くらい待つらしい。
冷たくて気持ちいい。
「すごい簡単だな…これだけで治るの?」
「うん、むくみと同じようなものだから…血行をよくすれば治るよ」
「ふーん…これ、有名なのか?」
「さぁ…女の子なら知ってる人もいるんじゃない?」
「え…真山は?なんで知ってんの?」
「さっき調べた。藤川が風呂入ってるときに」
何それ。
スマートかよ。イケメンかよ。
ちょっとかっこいい、と素直に思ってしまって、思わず頬が緩む。
「…はい、終わり」
「ん…ありがとう…」
コットンを取っておしまい。
なんかスッキリした気がする。
「…これで最後ね」
そう言って、まぶたにキスが落ちてきた。
反対側にも一つ。
ぶわっと顔が熱くなる。
眠れなかったらどうしよう、と思いながら、ぷいっと真山から目を逸らした。
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