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痕
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「なっ…!?」
単純に驚いたけどそれよりも、昨日と反対側だ、と気付いて絶望する。
まだうっすらと赤くなってるのを、さっき洗面所で確認して、憂鬱になったばっかりなのに。
(1箇所だけならまだしも、右と左に1箇所ずつとか…)
外にいるときなら、マフラーとかアウターとかでいくらでも隠せるけど、室内じゃたぶん無理だ。
服で隠すには限界がある。
雅に見つかったらどうしよう、すげーサカってると思われるんじゃないか。
(いや、まぁ高校生だし、その辺はまぁ…あれだけど…)
でも昨日したのは短いちゅー1回だけで、やましいことは何もしてない。
けど、これはもう…それ以上したと思われても不思議はない。
(本当のこと言って、信じてもらえるかな…)
そんな心配をしてる俺をよそに、真山は俺の体に腕を回して、服の裾から手を入れて。
そのまま、俺の腹に直接触れた。
「…次は、ここに痕つけちゃうから」
耳元で囁いて、指先で腹をなぞる。
ぴく、と小さく体が震える。
お腹に痕がつけられてるのを想像して、それはなんかエロいからだめだ、と真山の顔を見る。
「ふふ、ほっぺ真っ赤」
ちゅ、とほっぺにキスが落ちてくる。
お前がそういうことしてくるから赤くなるんだよ、なんて、もっとからかわれそうで言えなかった。
「…メシ冷めるぞ」
「そうだね。食べようか」
きれいに笑う真山。
ようやく腕を離してもらえて、ほっとする。
朝から心臓に悪い、と思いながら、マジでどうやって痕を隠そうか考える。
着てきた服で、ちゃんと隠せる自信がなかった。
「スープ持ってきて、藤川」
「…おー」
なんかもう…真山を見てると、悩みとかどうでもよくなってくるけど、そもそも悩みの種はこいつなわけで。
なんかモヤモヤしながらスープを運ぶ。
(なんだろう、この感じ…)
「ありがとう」
「んー。マフィンって、どうやって食うの?」
「え?手じゃだめかな」
「え……」
思わず、小さく笑いが洩れる。
と同時に、なんかもういろいろ吹っ切れた。
真山の、こういう…たまに男っぽいところ、楽で好きだ。
「ナイフとフォーク使って食べる?」
「いや、いい。俺も手で食う」
雅にどう思われるかとか、そんなの小さな悩みだった。
ちょっと前までの自分が、バカらしく思える。
ほんと振り回されっぱなしだなぁ、と思いながら、真山の向かい側に座った。
今さらだけど、すげーうまそうでちょっとテンション上がる。
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