アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
甘い言葉とちゅー
-
「っ…!」
どくん、と大きく心臓が鳴る。
顔が熱くなって、思わずぎゅっと抱きつく。
「…ずっと一緒だから大丈夫」
優しく響く声は、不安を溶かすように、体の中に入っていった。
じわりと胸が温かくなって、鼻の奥がツンとする。
泣いちゃだめだ、と自分に言い聞かせて、目を閉じる。
「好きだよ、藤川」
さっきと同じセリフ。
繰り返される甘い言葉に、心臓が加速してく。
俺も、と小さく呟いて、背中に腕を回した。
「…頼りないかもしれないけど、ちゃんと守るから…ずっと俺のそばにいて」
きゅうっと胸が苦しくなる。
いつもなら、もうちょっとからかってくるはずなのに。
こういうときだけ真剣なのずるい。
「…ありがとう、真山…」
深く呼吸して、落ち着いてから、小さな声で告げた。
涙は、ギリギリ零れてない。
「ふふ、可愛い」
小さく笑って、頭を撫でてくれる真山。
いつもの真山だ、と思うと、安心して。
瞬きしたら、涙は零れてしまった。
「…泣いてるの?」
真山が驚いて俺を見る。
だって、かっこいい真山も好きだけど、いつもの真山はもっと好きなんだよ、と心の中で言い訳する。
「雅に笑われちゃうよ」
困ったように笑いながら、そっと涙を拭ってくれる。
そのまま顔が近付いてきて、目を伏せたらキスされた。
「…ん……」
唇が離れたから目を開けたら、またすぐにキスされて。
慌てて目を閉じたけど、一瞬だけ見てしまった真山の表情は、見たこともないくらい扇情的で、まぶたの裏に焼き付いてしまった。
「…っ……」
ぞくぞくする。
くらくらする。
俺の腰を抱き寄せる腕。
角度を変えて、唇は何度も触れ合った。
「…はぁ…っ…」
苦しくなってようやく離れると、酸欠で頭がぼーっとした。
いつの間にか、真山にぎゅっと抱きついて、体を密着させてしまっていたことに気付く。
熱を持ってるのが、自分の体なのか真山の体なのかわからない。
「……真山……」
涙目のまま、そっと名前を呼んだその時。
真山の携帯が鳴った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
174 / 247