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うさぎをマスター
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「…………」
真山は、3個目のうさぎを完成させて、4個目に取り掛かっていた。
真剣な表情は、やっぱりきれいだ。
見てて飽きない。
「…藤川」
「ん?」
「気が散る」
「…………」
毒舌きたこれ。
トーンがガチすぎて割とヘコむ。
「…ごめん……」
あんな真顔で言わなくてもよくね?
確かに、人の顔めっちゃ見てた俺も悪いかもしれないけど……
「冗談だよ。ごめんね」
俺がちょっと傷ついたのがわかったのか、くすくす笑いながら謝ってくる真山。
また俺をからかってたらしい。
「マジでちょっと怖かったんだからな…」
「あんなに見られたら、誰だって気が散るよ」
「悪かったって」
「なんでそんなに見てたの?」
「え?」
…言えない。
きれいだから見とれてましたなんて言えない。
「…何でもない」
恥ずかしくなって、ふいっと目を逸らした。
あぁ、たぶん今すげー不自然だ。
「本当に?」
いたずらっぽく笑って、そっと指を絡めてくる。
ちょっとびっくりして、思わずその手に視線を向けてしまう。
「な、なに…?」
「もう、うさぎ覚えちゃったから」
「あぁ…」
ボウルの中に、うさぎが5つ沈んでいた。
1つは俺が作ったの、あとの4つは真山の。かなりきれいにできてる。
「覚えるの早いよな、真山」
「思ってたより簡単だったから」
「あー…楽しくなかった?」
「ううん、楽しかったよ。藤川と一緒だったし」
幸せそうに笑う真山。
ぶわっと顔が熱くなる。
「…っ…ばか……」
くっそ恥ずかしい、何これ。
なんですぐそういうことを……
「…こっち向いて、藤川」
「…………」
小さく笑って、俺の耳元で囁く。
渋々、真山のほうを向くと、ちゅっと唇が触れ合った。
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