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どっちがいい?
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「…ふふ、真っ赤。リンゴみたい」
「…な…っ…!」
くっっそ恥ずかしい、やばい。
いや、でもリンゴほど赤くはないよ!
…あれ、赤いのか…?
いや、そこじゃねぇよ俺。
落ち着け。
「ふっ、不意打ちはやめろ…」
「ごめんね、びっくりした?」
(びっくりっていうか…うん…)
「……びっくりした……」
びっくりっていうか、ひたすら恥ずかしかったんだけど、それを言うのも恥ずかしいから、びっくりってことにしといた。
抱きしめられて、ちょっとだけ体を預ける。
「じゃあ、その前にちゃんと聞くようにするね」
「え?」
思わず顔を上げると、真山の手が頬に触れた。
きれいな笑顔に、目を奪われる。
「…キスしていい?」
どくん、と心臓が跳ねる。
体が熱い。
急激に喉が乾くけど、何とか口を開いた。
「…だっ…だめなわけないだろ…」
あぁ、めっちゃ恥ずかしい何これ。
ブッ倒れそう。
「ふふ、可愛い」
楽しそうに笑って、ぎゅっと俺を抱きしめて。
もう一度、触れるだけのキスをした。
「…ん…真山……」
きゅぅっと胸が苦しくなる。
まっすぐな目に射抜かれて、息が止まりそうだった。
頭を抱き寄せられて、呼吸をしたら、胸いっぱいに真山の匂いが広がる。
「…不意打ちとどっちがよかった?」
いたずらっぽく笑いながら、耳元で話す真山。
ぴくっと体が震えてしまう。
「…どっちも、すげー恥ずかしいんだけど……」
「どっちにしろ藤川は可愛いよ」
「うるせぇよ…」
またからかわれてる。
ちゅーするのは嬉しいけど、毎回こんな風にされてたら、本当に心臓がもたないんだけど…。
「…そろそろリンゴ食べようか」
「え?あぁ、うん…」
そうだ、リンゴ。
早く食わないと変色する。
急いでボウルごとテーブルに運んで、二人でうさぎを食べることにした。
「藤川」
「ん?」
「これ、一番きれいにできたからあげる」
「おぅ、ありがとう…」
「藤川が作ったのは俺が食べるね」
可愛いな、おい。
いちいちそういうこと言うのずるい、と思いながら、また横顔を眺めた。
普段はかっこいいのに、ときどき子どもみたいだ。
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